結論
個人投資家なら、どちらを買っても経済的なリターンはほぼ同じです。
「GOOGL」か「GOOG」かで迷って検索している方へ、先に答えを出しておきます。長期保有・配当・値上がり益──いずれの観点でも、両者の差は年率0.5%未満の誤差レベルです。
ただし、「どちらでもいい」と言い切るにはいくつか前提があります。この記事では、その前提ごとに「どちらを選ぶべきか」の判断軸を整理します。
そもそも、なぜ「Google株」が2つあるのか
Alphabetの株式には、上場している銘柄だけで2種類あります。
| ティッカー | 株式クラス | 議決権 | 2026年5月時点の株価 |
|---|---|---|---|
| GOOGL | Class A(クラスA) | 1株につき1票 | 約$383〜387 |
| GOOG | Class C(クラスC) | なし | 約$382〜386 |
さらに非公開の**Class B(クラスB)**が存在し、こちらは1株につき10票の議決権を持ちます。Larry Page・Sergey Brinkをはじめとする創業者・経営陣が保有しており、一般投資家は購入できません。
この仕組みが生まれた背景は2014年にさかのぼります。Alphabetが急成長する中で、「経営の自由度を維持したい創業者」と「資本調達の必要性」を両立させるために、議決権のないClass C株(GOOG)を新設して上場させました。
2つの株式、5つの比較軸
① 経済的リターン(配当・値上がり益)
→ 完全に同じ
配当はGOOGLとGOOGの両方に、まったく同じ金額が支払われます。2026年4月に発表された増配(1株あたり$0.22・5%増)も両クラスに等しく適用されます。
値上がり益についても、両者は基本的に連動して動きます。2014年以来の長期チャートを見ると、年間パフォーマンスの差は0.5%未満の範囲に収まっており、どちらを持っていても業績連動のリターンは実質的に同じです。
② 株価(どちらが安いか)
→ 日によって逆転する。ほぼ誤差レベル。
一般的にGOOGLがGOOGより若干高い傾向にあります。議決権というプレミアムが乗るためです。ただしその差は通常1%未満、多くの日は$1〜$3程度です。
興味深いことに、需給によってはGOOGがGOOGLを上回ることもあります。「安いほうを買いたい」という理由でどちらかを選んでも、長期的には誤差に吸収されます。
③ 流動性(売買のしやすさ)
→ 両者とも世界トップクラスの流動性。差は無視できるレベル。
GOOGLは機関投資家・インデックスファンドの買い需要が厚い一方、GOOGは個人投資家の売買が活発です。一部の調査ではGOOGのほうが出来高がやや多く、ビッド・アスクスプレッドも数セント単位でわずかに狭い傾向が見られます(株価$380台に対して誤差レベルの差であり、実際の売買コストへの影響はほぼありません)。
いずれにせよ、両者とも1日の出来高は数十億ドル規模です。個人投資家が「流動性が足りなくて売れない」という事態はまず起きません。
④ 議決権(株主総会で意見を言えるか)
→ GOOGLだけに1株1票がある。ただし実質的な影響力はほぼゼロ。
GOOGLはClass A株なので、株主総会での議決に参加できます。一方GOOGはClass C株なので議決権がありません。
ここで知っておくべき重要な事実があります。Alphabetの実質的な議決権の過半数は、非公開のClass B株(1株10票)を持つ創業者・経営陣が握っています。
つまり、GOOGL株主が束になって投票しても、Larry PageやSergey Brinkの意向を覆すことは構造的に不可能です。「株主として会社に声を届けたい」という動機は尊重されますが、経営への実質的な影響力という意味では、GOOGLの議決権は象徴的なものにとどまります。
⑤ インデックス・ETFとの関係
→ GOOGLもGOOGも、両方ともS&P 500に採用されている。
ここは誤解されやすいポイントです。S&P 500は原則「1社1銘柄」ですが、AlphabetやFoxのように複数クラスの株式を上場している大企業については例外ルールが適用されます。2014年以降、「基準を満たす公開株式クラスはすべてインデックスに含める」という扱いになっており、その結果S&P 500は現在500社・503銘柄で構成されています。
つまり、VOOやSPYなどのS&P 500連動ETFを保有している投資家は、GOOGLもGOOGも両方すでに間接保有しています。「ETFとの重複を避けるためにGOOGを選ぶ」というロジックは成立しません。個別株でどちらを買い足しても、ETFとの重複は避けられないため、この軸での使い分けは純粋に好みの問題です。
結局、どちらを選ぶべきか
| あなたのスタイル | おすすめ |
|---|---|
| 配当・値上がり益だけが目的で、議決権に関心がない | どちらでも可(リターンはほぼ同一) |
| 株主として会社の意思決定に関わりたい(象徴的にでも) | GOOGL |
| 少しでも安く買いたい | その日に安い方をチェック(差は$1〜$3程度) |
| 特に理由がなく迷っている | GOOGL(認知度・流動性ともに王道) |
なお「S&P 500 ETFを持っているから重複を避けてGOOGを買う」という考え方は成立しません。GOOGもGOOGLもどちらもS&P 500に組み込まれているため、個別株でどちらを選んでもETFとの重複は同じです。
よくある誤解を整理する
「GOOGLのほうが高いから業績がいい?」→ No 価格差は議決権プレミアムと需給によるもので、業績・配当は完全に同一です。
「GOOGはS&P 500に入っていないから危ない?」→ そもそも前提が誤り GOOGもGOOGLも、両方ともS&P 500の構成銘柄です。S&P 500は「500社・503銘柄」で構成されており、Alphabetは複数クラス採用の例外ルールによりGOOGとGOOGLの両方が組み込まれています。安全性・業績リスクは両クラスで共通です。
「GOOGLを買えば経営に参加できる?」→ 実質No Class B株による創業者支配の構造上、個人株主の議決権が経営方針を動かすことは事実上ありません。
2026年時点でのポイントまとめ
| 比較軸 | GOOGL(クラスA) | GOOG(クラスC) |
|---|---|---|
| 2026年5月株価 | 約$383〜$387 | 約$382〜$386(差は$1〜$3・日によって逆転) |
| 配当金 | 1株あたり$0.22 | 1株あたり$0.22(両者まったく同額) |
| 議決権 | あり(1株1票) | なし |
| S&P 500採用 | あり | あり(両クラスとも採用) |
| 長期リターン差 | 年率0.5%未満(実質同一) | 年率0.5%未満(実質同一) |
| こんな人に | 定番・王道が好みの人 | 議決権不要で少しでも安く買いたい人 |
まとめ
「Google株、どっちを買うべき?」という問いへの最終回答は、**「どちらでも大きな差はないが、迷うならGOOGL」**です。
S&P 500の構成銘柄であること、議決権があること(象徴的であっても)、そして「Google株といえばGOOGL」という認知の高さ──どれも決定打ではありませんが、わからないときの「デフォルト」として選ばれやすい理由があります。
すでにS&P 500 ETFを保有しているなら、どちらを選んでも重複の度合いは変わりません。そのため、その日の価格や個人の好みでシンプルに決めてしまって問題ありません。
どちらの選択も正解です。大切なのは「GOOGLかGOOGか」よりも、「Alphabetという会社に投資するかどうか」という判断そのものです。
※本記事は個人投資家の学習・観察記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。株価・配当は2026年5月時点の情報に基づいており、最新情報は各自でご確認ください。


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